短編上映

 トークショーのあとは短編上映。
 「Sissy boy slap party」は平手打ち愛好家たちの楽しいパーティーのおはなし(つーか、音楽に乗せてただみんなで平手打ちしてるだけ)。
 「 A trip to the orphanage」はレース(カーテン?)の多重露出が美しく、その向こうのオペラ歌手をのぞき見ようとしているうちにはっと終わってしまう。
 そして「 Sombra Dolorosa」は、以前柳下さんが「何、これ? 何ひとつ意味がわかりません。」と大絶賛(?)していた怪作。 本日の試合はメキシコの未亡人 vs 死神!未亡人は日蝕の期限以内に自殺志願の娘を助けようと、死神とルチャ・リブレで対決するのである。いよいよ試合開始、激しいファイトのあいだにも娘はまさに入水せんとする。娘危うし!しかし、圧倒的な強さを見せる夫人の勝利によって、見よ!サマリタンの男が娘を救出しに来るではないか。よかったよかった。なーんや、それ!死神もそれと引き替えに未亡人の旦那の死体を食ってすっかり満足(だっけな、このへん、すでにして筋の記憶に自信がない)
 ・・・たったの四分のあいだにこのムチャクチャなストーリー。にもかかわらず、途中で「日蝕!」「日蝕!」と登場人物のテンションが異様に上がって、なんだかクライマックスを迎えた気がするから不思議だ。

 わけわからんという意味では「The heart of the world」もすごい。なぜか受難のまねごとをしては人々を折伏させるキリスト男と、奇怪な発明品を作る理想主義のエンジニア、二人の兄弟が、地球の中心を研究中の女をめぐって争うのだ!(ちなみに登場人物は全員ロシア名)そしてついに地球の中心に異様な活動が。女は一人、地球をすくわんと核の中心に向かうが、そのあいだにも地上では次々と悲劇が。地球のピンチ!そのとき、突然映画の奇跡! Kino! Kino! Kino! ・・・しかしこれ、日本タイトルつけるとしたらやはり「世界の中心で愛をさけぶ」なのかしらん。

 キューカーのかわりに「臆病者はひざまずく」が再びかかることになった。二度見てもやはり連れていかれました。

 モンタナ通りの闇を裂いて自転車で帰宅。