2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

任地で聞く音楽

他の席にはTVモニタがあるというのに、ぼくたち二人の席はたまたまTVモニタのない席で、彼は「だまされた」といいながらリュックからごついCD携帯ケースを取り出す。任地ではこれといって娯楽がないので、CDはいい慰めになるのだという。「どんなの聞いてる…

オキナワからイラクに赴く青年

サンフランシスコで乗り換え。隣に座った青年に大阪に行くのか尋ねたら、兵役でオキナワからイラクに行くのだという。なぜか兵士というのは、チャーター機や船で部隊ごと移動するというイメージがあったのだが、こうやって民間機でめいめいオキナワまで移動…

代々木オフサイトで来月

4月6日(水)『第1回 服部カーニバル』2階カフェにて、午後8時スタート 演奏:宇波拓、中尾勘二 ゲスト:虫博士、泉智也、細馬宏通 1,000円 + ドリンク代(200円〜) というのがあるそうですよ、みなさま。わたくしもどんなカーニバルか 物見遊山で出かけま…

ウィリアム・キャッスルとヴィンセント・プライス特集

ハリウッドのお膝元、エジプシャンにてウィリアム・キャッスル特集。「ティングラー」「地獄へと続く部屋」の二本立て。90年初頭、倉谷さんがアメリカに居た頃、TNTで放映していたビデオをあれこれ送ってくれて、その中でも彼のいちばんのおすすめがウィリア…

iPod風エフェクタは可能か

さて、翻ってiPodはどうか。AMラジオと同じように、iPod風エフェクタというものが存在するかというと、少なくともいまのところは、ない。というか、iPodには、エフェクタを作るほどの顕著な原音との差がない。これ、けっこうな重要なポイントだと思うんです…

AMラジオを演奏することは可能か

だから、AMラジオというのは、単に原音から遠いメディアなのではない。AMラジオというメディアじたいが、ほんとうはとても豊かな肌理を発している。 となれば、AMラジオを演奏する、ということだってできそうです。AMラジオから曲を流すのではなくて、AMラジ…

AMラジオとスターの悲劇

とまあ、原音とその原音に迫りきれないもの、という方向からあれこれ考えてきたのですが、ここらでぐっと頭の向きを変えて、原音ではないものの魅力、という方向から考えてみましょうか。 極端な例として、たとえばAMラジオとiPodを比較してみよう。 単純に…

鐘の残余

たった一発の鐘の音にだって記憶は介在しています。それが証拠に、わたしたちは鐘の音を表して「残響」といったり、「余韻」といったりするではないですか。「残」とか「余」というのは、時間の概念です。記憶されたあるものから時間を経て、そのあるものと…

「記憶」と呼ばずに「メソッド」と呼ぶ理由

さて、前回、「メソッド」っていうことばを使いました。この「メソッド」、頭の中にあるものなんだから、いっそ「記憶」って言ったほうがてっとりばやそうな気がしますよね。じっさい、澤井さんや大友さんの話では、ぼくがこの前書いたのとほぼ同じ話を「記…

ニュー・メソッド

明日に書く、といいつつどんどん日がたってますが、その明日が今日だ。というわけで、頭の中の旧メソッドからニュー・メソッドへ、という話でしたよね。で、新も旧も明日にはまとめて旧メソッドになるわけですが、だからといってわたしたちは幸運にもカミサ…

カセットの底にラベルの切れ端

ビデオやオーディオカセットの底には、ツメがついていて、これを折ると録音ボタンが下りなくなり、貴重な録音が上書きされるのを防止できる。 ところが手元に空きテープが見つからないと、いったん永久保存版と決めたテープを「やっぱりもういいや」と、再上…

ニューメソッド

ところで、「ポストノイズ」特集でもあちこちで名前の挙がる代々木の「オフサイト」(4月末まで!)なんだけど、あそこでは、隣家に気遣うがゆえに、しばしば生楽器がマイク通さずに演奏されてるということは、行った人なら知ってると思う。これ、音量とは逆…

メソッドを介することの限界

原音派全盛時代に比べて、現在のメソッド派全盛時代は、ある意味で、聞き手の頭がよくなってるんだと思う。頭がよくなってるということは、それだけメソッド依存度というか頭脳警察度が高いわけで、メソッドや頭脳警察に乗らない音楽ははじかれてしまう。と…

・・・とその衰退

ジャズ喫茶やクラシック喫茶の衰退は、学生運動的気風の衰退とか、CDの登場によるレコード資産の運用の困難化とか、いろいろな説明が付くと思うけど、少なくともその結果現われたのは、オーディオを介した「原音」志向の衰退だと思う。だって、CDが登場した…

原音志向の栄光

この、「原曲と違うものを聞いてもへっちゃら」という状態、いまは当たり前に思えるけど、はじめからこんな風だったわけではないと思う。だって60年代から70年代にかけて、オーディオマニア全盛期ってのがあったわけじゃないですか。カセットテープの音質で…

スーパーマーケット・ラーニング

あと、見逃せないのが、ポップスのMIDI化、そして、われわれを取り巻くMIDI音楽の氾濫。 たとえば昨日紹介した「ロックイット」」のMIDI版。これぞヤマハ・メソッドの産物! これ、すごいことやってるよ。絶対音感駆使して、スクラッチから無理矢理音程拾い…

「予習」する人の登場

あ、そういえば、ライブとかに行く前に「予習していく」という考え方あるじゃないですか。歌詞のすみずみの節回しまで覚えて歌えるようにしてから行くってやつ。あれも80年代以降の産物だと思うな。みんな当たり前みたいに「予習」してるけど、そもそもライ…

カラオケ・ラーニング

じゃ、そんなメソッドをいつのまに聞き手は習得したのか。ここで、長年の歌謡曲の進化の果て、という風に議論を丸投げしてもいいのだが、もう少し具体的にいこう。 たとえばカラオケ。カラオケってのはある意味で、メソッド習得のすごい練習場だと思う。 MID…

聴き方のメソッド化

大友さんがユリイカの「ポスト・ノイズ」鼎談の中で、iPodの音が耐えられない、って話を書いてるんだけど、逆に言うと、iPodの音質でも生き残る音楽ってのがいろいろあって、それがiPodに乗っかるんだよなあ。そして、残念ながら、というよりはある種の必然…

録音>再生という手段が音楽を限定する

しばらく読んでないんだけど、最近のサウンド&レコーディング・マガジンってじつはとてもおもしろいことになっていて、特集のあとの真ん中へんの連載記事、とくに澤井妙治氏、戸田誠司氏、そして佐々木敦氏の文章は毎号楽しみにしてた(いまも連載続いてる…

オーケストラという巨象

この30年間で、ブーレーズの音楽以上に、自分の音楽の聴き方が決定的に変わってしまった。 やはり30年前、ニューヨークフィルと彼が吹き込んだオケコンに比べれば、今夜の演奏は細部に渡ってとても考え抜かれたものだったと思うし、今まで気づかなかった…

クリーブランド管弦楽団、指揮ピエール・ブーレーズ

「安定した」なんて言い方でブーレーズを語るなんて奇妙なことだ。 60年代末に彼がクリーブランド管弦楽団と録音したドビュッシーの「海」はぼくが最初に買ったレコードで、その北斎の絵がプリントされたCBSの廉価盤を、文字通りすり切れるほど、最後の楽章…

シカゴ交響楽団、指揮ピエール・ブレーズ

たまたま通りかかったシカゴ交響楽団の建物を見て、ふと今日の演目はなんだろうとポスターを見ると、なんとブーレーズの80歳の誕生日を祝うコンサートではないか。演目は、ハイドン、ランズ、そしてバルトークのオケコン。オケコンって! だめもとでボック…

声に出して話すと、なぜ間違えるのか。

以上、昨日の「ラジオ 沼」の話を加筆訂正。わずか十数分の話もテキストにすると膨大になるなあ。 上では修正しておいたが、録音ではどうしたことか、「ポルトガルから鉄道に乗ってスペインに行った」というような話をした。これは完全な間違いで、ほんとう…

ラジオ 沼よりぬき

こんばんは、ラジオ 沼、かえるさんです。 えー、サイドウェイズという映画を見てきたんですけれども、これはすごくいい映画でした。もうすぐ日本でも公開されると思うんですけれども、まあ、筋を少し話してもあまり差し障りがない映画だと思うんで、ちょっ…