ニューメソッド

 ところで、「ポストノイズ」特集でもあちこちで名前の挙がる代々木の「オフサイト」(4月末まで!)なんだけど、あそこでは、隣家に気遣うがゆえに、しばしば生楽器がマイク通さずに演奏されてるということは、行った人なら知ってると思う。これ、音量とは逆にでかい問題だと思うんです。

 マイクってのは、拡声器だとみんな思ってるけど、あれはじつはリアルタイム録音>(エフェクト)>再生装置の一部なんだよね。
 で、録音>再生というプロセスがじつはメソッドに依存している現在、録音>再生を経ない場で演奏するということは、じつは以上の議論とはまったく逆の方向性を備えている。つまり、非iPod的であり、非メソッド依存的な音楽が生まれる環境がそこにはある。
 もちろんぼくがしたい話は、マイクやアンプを使うのはダメで生音じゃなきゃダメ、てな表面的な区別の話じゃない。むしろ、マイクを通した音を生音として扱うこと、そしてそれは生楽器とまじわりうるのだ、という感覚の方が重要だ。
 それはおそらく、聞き手の頭の中の旧メソッドに依存するのではない、ニューメソッドをもたらすはずだ。ではニューメソッドとは何か、という話は、また明日。

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