「予習」する人の登場

 あ、そういえば、ライブとかに行く前に「予習していく」という考え方あるじゃないですか。歌詞のすみずみの節回しまで覚えて歌えるようにしてから行くってやつ。あれも80年代以降の産物だと思うな。みんな当たり前みたいに「予習」してるけど、そもそもライブって、そこに行って口開けて驚いてりゃいいもんじゃないの?それを予習する、ってどういうことだ。
 原曲に合わせて歌えるまで聞き込んでいく。それだけじゃなくて、原曲なしでも鼻歌で歌えるまで聞き込んでいく。蒲団のなかでも電車のなかでも喫茶店のなかでも口ずさめるようにする。これ、メソッドの肉体化、ちゅかiPodの肉体化だよなあ。あ、逆か。この「予習」感、メソッド感をマシン化したのがiPodだったんだ。わかったぞ。