録音>再生という手段が音楽を限定する

 しばらく読んでないんだけど、最近のサウンド&レコーディング・マガジンってじつはとてもおもしろいことになっていて、特集のあとの真ん中へんの連載記事、とくに澤井妙治氏、戸田誠司氏、そして佐々木敦氏の文章は毎号楽しみにしてた(いまも連載続いてるのかな?)。その澤井氏が、「ポスト・ノイズ」特集にも書いていて、ともすると難解な文章の中、とぼけていながらすごくおもしろいんだよなあ。ダイレクトに、耳だけじゃなくて耳以外の感覚も含めていじりたい、いじりたいというか、もっと直接お届けしたい。二十一世紀的に。というお話。
 ところが、間に録音>再生ってプロセスをはさむと、それがすごく難しくなっちゃう。難しくなっちゃうのに、わたしたちはこの「録音>再生」ってのを当たり前だと思ってる。「録音>再生」って手段をとることで、じつは聞く音楽じたいが限られるにもかかわらず。