コンクリート感覚

 京都へ。薄荷葉っぱ(オクノ修の「去年の夏」のカバーたのし)、トウヤマタケオ楽団と、ナイーヴで明るい演奏のあと、コンビニに走り、リポDで気合いを入れてから、ぐぐっと夜に傾斜。山本精一羅針盤大友良英ヴァージョン)。世界の果てにカミサマを置くノイズ。これは黒かった。前々から、ギターのつぶつぶエコーの音はなにゆえ都会的なのか疑問だったが、とつじょ、これは硬さに反射する音から空間を割り出そうとするのココロだと思いつく。彦根のだだっぴろい田圃で音を出しても、けしてこのような音は聞こえてこない。両側がコンクリートジャングルであればこそ、かつかつという音は反響して人気(ひとけ)のなさを増幅する。
 この、音の構造によって、空間感覚が励起されるという感じは、じつは音楽を聴きながらスケープを構築していくときにとても重要になる。ところで、ぼくがこの、エコーによるコンクリート感覚をいちばん最初に味わったのは「ザ・ガードマン」のテーマだったように思う。あれにはギターの弦をこする音も入ってたんじゃなかったかな。